コラム

住まいが暮らしと健康をもつなぐ

2025年07月10日

住まいが暮らしと健康をもつなぐ

 いきなり私事で恐縮です。今年の夏、とうとう50歳になります。

働き盛り…と言いたいところですが、身体は正直です。最近では、白髪が目立ち、顔にはシミ、歯に隙間、声はやたら大きくなり、老眼鏡はダイソーでまとめ買い。肩も腰もバキバキで、健康診断では毎年「要注意」の項目が増えていきます。財布の中は診察券コレクション状態。こうして人は、経験とともに、病院とのご縁も深まるんですね(笑)。

 

 そんな私が最近しみじみ感じるのは、「早めの気づき」と「心地よい環境」の大切さです。体調の変化に敏感になり、信頼できるプロに相談する。それに加えて、「家」でゆったり過ごす時間が心にも身体にも良い影響を与えてくれるのだと、実感しています。休日は家で映画を見たり、趣味の模型づくりに没頭したり。自分の「好き」が詰まった家は、何よりのパワースポットです。


 そんな背景もあり、今回は「健康住宅」についてお話ししたいと思います。

健康住宅とは、単に見た目がきれいな家ではありません。冬の寒さが厳しい家では、室温の急変によるヒートショックで心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高まります。逆に、家の断熱性能をしっかり高めれば、高血圧や関節痛、アレルギー症状も軽減されることがわかっています。つまり、住まいが健康を守る「盾」になるのです。さらに、気密性が甘い家では、結露、カビ、ダニが発生しやすく、アレルギーや喘息を悪化させる原因に。これでは家にいながら健康リスクを育てているようなもの。断熱、換気性能の強化は、健康住宅に欠かせない条件です。そして年齢を重ねると、家の中での「転倒事故」も心配になります。段差をなくす、滑りにくい床材を使うなど、バリアフリー設計を意識することも、大事なポイントです。メンタルにおいても、住まいの環境は大きな影響を与えます。狭くて窮屈な空間ではストレスがたまりがち。家族と集まる場所だけでなく、一人ひとりがホッとできる居場所をつくること。好きなものに囲まれた空間は、心を癒し、生活にゆとりを生み出してくれます。

 

 住まいは、人生を支える大切な「器(うつわ)」です。これからの人生を健やかに、楽しく過ごしていくために、今こそ住まいの「健康診断」をしてみませんか?ちょっとした工夫やリフォームで、家も身体もメンタルも元気になれるかもしれません。私も、自分の身体をメンテナンスしながら、住まいづくりにもいっそう力を注いでいこうと思っています。一緒に健康で楽しい未来をつくっていけたら嬉しいです!


取締役社長 上田 公平